四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

暴走する大国


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中国が自滅に向かって大きな一歩を踏み出してしまいました。


周辺国に何の協議もなく、一方的に東シナ海に「防空識別圏」を設定した問題の影響は、非常に重大です。日本と戦争になる危険性を大きく高め、臨戦態勢になっているといっていいでしょう。

単なる威嚇ではありません。

中国は、過剰な自信の中で領土的な野心をむき出しにしています。

習近平共産党指導部が十分に人民解放軍を統制できておらず、一部が暴走している可能性があるのではないでしょうか。

領土問題では一切譲歩せず、戦火を切る覚悟を決めているとみられます。


大国として世界リードするどころか、世界から孤立感を深めていることすら気づいていない。中国は、世界の秩序を平和的に保とうとする本当の意味で大国になる資格がないことを自ら示してしまいました。


中国が“大国”というのはその人口や経済規模という量だけです。

北京の街を歩けば、誰でもすぐにそのことに気づきます。

信号は誰も守らず渋滞が発生し、地下鉄自動切符売り場は故障して人があふれ、あちこちの交通機能麻痺しているのは日々のこと。視界も悪くなるほどの大気汚染で、外出時はマスクが欠かせません。

人民それぞれが自分自身のことにしか関心のない身勝手な自己中心主義、公共性という概念すらない不効率社会。混乱したこの大国は、日本や米国だけでなく、中国との紛争問題を抱えるフィリピン、ベトナム、インド、台湾など世界を敵に回した戦争に勝てるでしょうか。

もし勝ったとしても、世界は大きな犠牲を支払うことになるでしょう。


もしこれ以上周辺国との関係が悪化すれば、経済的な窮地に陥るのは中国自身です。

エネルギー技術海外に大きく依存しています。

戦争となれば軍需産業だけは潤うかもしれませんが、海外との貿易や海外企業投資に頼っている多くの地域、そこの工場で働く無数の庶民たちは困窮します。

それだけでなく、すでにいくつかの民族的な対立を抱えており、内部から崩壊する可能性がもっと高くなっていきます。



軍部の暴走で無謀な太平洋戦争突入したかつての日本をみているようで、痛々しいのです。



1年前に主席となった習近平は、「中国の夢」を政権スローガンに掲げました。

中華民族の誇りを世界で復興させることだといいます。



いま思えば、中国の夢とは、欧米に代わり中国を中心とした世界観を世界に押しつけることなのでしょう。

力だけで世界を征服する時代ではありません。

時代錯誤のパワーゲームを繰り広げようとする中国は、残念ながら苦境に立たされるでしょう。信用されていない大国だからです。

中国の夢は、夢のまま終わることになるような気がします。



そしてその犠牲になるのは、またしても国民たちでしょう。

領土が残ったとしても、いまある生活はなくなり、家もなくなり、温かい家族のだんらんも、十分な食料も、子供たちの未来もなくなります。



何のための戦争なのでしょうか。



中国に住み始めてもうすぐ10年。

中国人の妻をもらった私が感じる中国と日本の姿です。


<参考文献>

強大化する中国への対抗策を(フォーリン・アフェアーズ・リポート)

米中戦争という今そこにある脅威

 

 

 

ザザムシザザムシ 2013/11/29 22:52 B52戦略爆撃機が不当に敷いた防空識別圏に侵入してきた場合、
即座に反応し、爆撃機させない防御行動に出ないと間に合いません。
今回中国は特に目立った軍事行動にはでてないと思われます。
つまり、
一連の出来事は、予定調和の中の出来事だと思います。

ある方向に仕向けようとする風潮には冷静に、賢く判断する努力をしなくてはと思います。

二大大国は敵対しているのでしょうか

ruruchanruruchan 2013/11/29 23:59 次の覇権を狙う中国と米国による軍事的なパワーゲームが背景にあると思います。
北京の郊外で一発の銃声がきっかけとなった日中戦争。意図はなくても偶発的に疑心暗鬼が拡大していとも簡単に戦争は始まってしまう。そうした危険性は大きく高まったと考えています。