四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

ジャイアンと日本人

いじめっ子だったジャイアン
昔のことを謝っても誰にも信じてもらえない。


さんざんにじめられたのびたは
大人になった今でも、
ジャイアンの謝罪は本当なのか?」
「本当に誠実な態度なのか?」
と疑う。いつまでも、いつまでも。
多感な時期のことだから、ジャイアンの存在は人格までに影響を及ぼしている。


日本はジャイアン
中国はのびたなんだろう。


中国の庶民はいつまでも
「日本国民には反省の態度がない」
「心から謝罪していない」
「国全体が右翼化している」と疑い、
果ては憲法改正議論と聞けば、
「中国と戦争をするつもりなのか?」
帝国主義の復活か」と怯える。


「いっそのこと中国は日本を焼け野原にしてやる、
そんなのは簡単だ」と吐き捨てる。知り合いの中国人に言われた。


尖閣の問題の本質は、中国の内政問題なのかもしれない。
もともとは領土に野心を持つ中国の人民解放軍が仕掛けてきたものだろう。


だが、何も知らない、知らされない中国の庶民たちは僕ら日本人に怒りを向けてくる。


これは小さい頃にいじめっ子だったジャイアンの運命として、
日本人は受け入れるしかないだろう。


70年近く過去に日本側に過ちがあったことは、否めないからだ。
南京大虐殺は、中国が言う犠牲者の数が多すぎるとか反論しても意味がない。
戦後処理は終わったはずだと反論してもまったく通じない。
数や程度は問題ではない。


いじめられたほうはいまでも痛みを感じているし、
いつまでも被害者意識を持つもの。
足を踏まれた、土足で自分の土地を荒らされたという事実が
中国人の心の中にいつまでもある。
中国の教育の問題だと指摘しても仕方がない。


何しろ、昔日本人はいじめっ子だったんだから。
のびたをさんざ殴ったのは事実だ。


ひたすら、僕は昔の日本がしたことを中国人1人ひとりに謝罪していくしかないと考えている。
そんな恥べきことはするなと日本人は言うが。


だが、中国人はあまりに純粋で、馬鹿で、単純なのだ。
日本人の僕が譲歩した姿勢をみせると、中国人は驚くほど大人しくなる。
「日本は嫌いだが、人間が大きいおまえは好きだ」と認める。

これは個人同士の関係だけのことではない。
国同士の外交でも同じだろう。


永遠に日本人は謝っていかなければならない。
苦しく屈辱的だろうが、それが過去に過ちを犯した日本に生まれた日本人の宿命だ。
戦争の傷はそれだけ深い。
戦争の代償は大きいということだ。

戦争は昔のことではない。すぐそこにある危機だと、
中国にいると感じる。


私たちが謝る、譲歩することで
罪のない子孫まで怨念を仕向けられることが避けられるなら、それでいい。



ジャイアンは今、大人になる時だ。