四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

2006-07-30から1日間の記事一覧

慟哭の夜 序章

冷たい大粒の雨が病室の窓を激しく叩きつけていた夜だったそうです。 1971年2月1日午前1時。私がこの世に産み落とされた日です。私を産んだ女はひとり、濡れた窓からはてしない闇をみつめていました。女の冷たい涙は、黒い濁流となって病院の下水道へ薄汚…