四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

僕の彼女は「綾波レイ」

仕事を終えて、バス停に向かうと、中国人男性の同僚がそこにいました。オウっと互いにあいさつを交わし、どこへ向かうのかとたずね合います。彼は、友人たちと日本料理店で食事をするとのこと。 営業部にいる新人の彼とはほとんど話す機会もなかったので、せ…

あなたは象のよう

あなたは黒く小さい。象のように長いお鼻がとても素敵です。 トーストの朝。寝ぼけた頭でお湯を沸かしながら、僕は簡単な朝食を作り始めました。冷蔵庫の扉を開けて、バターを取り出します。 レンガのような形をしたバターを包んである紙を捲ると、そこにい…

いつもと違う道にある甘い香り

この世界でどんな香りが一番好きなのかと聞かれれば、金木犀(キンモクセイ)だと僕は答えていいのかもしれません。 きょうの夜、いつものように午後7時に仕事を終えた僕は、1週間前に新しく買ったばかりの自転車に乗ってスーパーへ向かいました。何気にい…

オレンジ男の嗚咽

泣いていました。その若い男は、嗚咽していました。 嗚咽の中で、誰かの名前を叫んでいます。仲間の名前なのでしょうか。 今週に入り、上海もだいぶ涼しくなっています。今も、アパート近くの植え込みから聞こえてくる秋虫の声が心地よく響いています。きょ…

晩夏の悪臭を放つ上海の路地裏

湿気を帯びた生臭い空気が、むっと地面から立ち昇ってきて、鼻の奥を刺激します。そんな時僕は吐き気を覚え、上海という街に対して罵りたくなるのです。 夕立上がりの上海の路地裏。ここには、晩夏を迎えた季節の情緒など微塵もありません。 食べ残された米…