四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

上海の恋物語

街

きょう僕は、2時間ほどバスに揺られて、郊外の街まで行ってきました。

 市街地と違って、道路には白い埃が舞っています。車が通るたび、僕は口を押さえました。

 

 僕が生まれて初めてみる街です。ボーと、バスの窓から外を眺めながら、考えていました。


 ここにも僕の知らない人がいっぱい生きている。

 ここでも僕の知らない恋がある。どんな恋をし、何を想っているのだろう。


 
 どんな議論でも、水かけ論に終始してしまうのはなぜでしょうか。政治や経済、歴史を語っているだけでは中国や中国人はみえてこないんです。生身の人はみえてこないんです。



 
 いつか、僕はその知らない青年たちの恋を、ひとつひとつ丹念に記録していくことはできないだろうか。

 特別な恋じゃなくていい。

 いま、上海に生まれ、消えていっている普通の恋を描いていけないだろうか。

 
 ちょっと洒落た写真を添えて・・・。





 そんなことを考えながら、僕はバスの中で気持ちよく居眠りしていました。