四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

中央という位置

アパートの台所から眺める外の景色

 上海は人口、経済規模ともに中国最大の都市です。僕はいま、上海という「中央」の位置にいます。実は、これが僕にとっては初めての経験です。ここに来てまだ1週間。これから、何かがみえてくればいいなと思います。

 ちょっとひねくれ者だと自覚している僕は、これまで「中央」という位置づけをあえて避けてきました。離島・奄美での4年間の生活にしろ、まさしく辺境にある雲南省昆明にしろ自然とその流れの中にありました。「中心」ではなく「周辺」という位置づけが好きだったのです。

 周辺が好きだったのは、なぜでしょう。

 その国の情報でも流行でも、必ず中央から周辺に流れます。上流から下流へと流れる河のように。でも逆に、周辺から中央には流れにくい。ほとんど流れないとも言っていい。

 中央の民は周辺を見ません。見る必要がないから。
 周辺の民は中央を羨望する。そこに情報、物、お金があるから。

 だから、中央にいると、物事の全体が見えなくなってしまう。周辺を顧みない。
 周辺にいると、中央も周辺もみえる。
 
 
 僕の体に染み付いた周辺という視点。ずっと周辺にあった僕の負け惜しみの根性かもしれませんが、これを大切にしながら、中央の上海をみていきたいと考えています。

 上海も寒くなってきました。外出するときには手袋が必要です。