四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

昆明の街

破れた窓(昆明市街地にて

 やさしさが、時に人を傷つけることがあったとしても、

 僕はその立ち位置から軸をずらすことが怖いのです。


 新しい年を迎えた昆明の空は、以前と何の変わりなくまぶしい光で街を照らしていました。

 ここにかけがいのない友人たちが、生きています。

「今度はいつ戻ってくるのか?」と問われて、僕は戸惑うしかありませんでした。上海と昆明との直線距離は約2000キロ。人の温もりを忘れないでいるには、あまりにも遠すぎると感じました。

 未来のために、厳しさをみせつけるしかなかったのです。


 2ヶ月前に昆明を離れた時より、今度のほうが胸が締め付けられたのはなぜでしょう。

 上海にいる今。昆明という何もない辺境の土地が、心の中で大きく地図を広げていることに、いまさら気づくこともあるのです。