昆明の街
やさしさが、時に人を傷つけることがあったとしても、
僕はその立ち位置から軸をずらすことが怖いのです。
新しい年を迎えた昆明の空は、以前と何の変わりなくまぶしい光で街を照らしていました。
ここにかけがいのない友人たちが、生きています。
「今度はいつ戻ってくるのか?」と問われて、僕は戸惑うしかありませんでした。上海と昆明との直線距離は約2000キロ。人の温もりを忘れないでいるには、あまりにも遠すぎると感じました。
未来のために、厳しさをみせつけるしかなかったのです。
2ヶ月前に昆明を離れた時より、今度のほうが胸が締め付けられたのはなぜでしょう。
上海にいる今。昆明という何もない辺境の土地が、心の中で大きく地図を広げていることに、いまさら気づくこともあるのです。