僕は怒りを否定しない
義務感でもない。
正義感でもない。
悲しみでもない。
彼らを動かすのは、激しい怒りです。
ずっとパレスチィナ社会の取材をしているビデオ・ジャーナリストの土井敏邦さんは、ジャーナリストたる条件を語っていました。
「言葉が上手いとか、嗅覚が鋭いとか、どうでもいい。
共通しているのは怒り。人の痛みをわかろうとする情熱」
怒りは、忌み嫌われる感情です。
怒りを行動の基準にすれば、さらなる怒りの報復を生みかねない。
しかし、圧倒的な力を持つものに虐げられる人々をみるとき、その人々に心から寄り添おうとすれば、怒りは否応もなく湧き上がってきてしまうものでしょう。
怒りという感情を僕は否定したくありません。