四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

居場所をさがして

雨に濡れた上海の街

 上海には、まだ僕の居場所がないってことに気づきました。住処(すみか)ではなく、居場所です。それで、昨夜からさっそく動きはじめました。

 仕事を終えた後、僕はひとり上海市内のあるアートギャラリーに向かいました。
急ぎました。そこは8時には閉まってしまうと聞いていたからです。初めて行く場所なので、商店のおばさんなんかに道を聞きながら、なんとか辿り着きました。到着したのは7時50分。ギリギリです。「まだやってますか」が僕のひとこと目でした。
 
 そこには、日本人や中国人の若者たち20人ほどが集まっていました。上海で活動する「クリエーター」たちを集めた展示です。その中の一人に、ネットを通じて名前だけは知っていた男性がいたんです。彼らが主催したものでした。予告なしの訪問だったので、少しびっくりしたようでしたが・・・。

 ギャラリーには、写真や映像、イラスト、ポスター、デジタルデザイン、漫画の作品などが展示されていました。それをみながら、僕が展示するとすれば、何が展示できるんだろう。そもそも僕がクリエーターの範疇に入るのかは疑問(もしかして場違いかとちょっとひや汗)でしたが、せっかくだから仲間に入れてもらうことにしました。

 話をさせてもらったのは、現代アートの中国人やアニメーション関係の日本の若者、元アナウンサーのきれいな女性などなど。2月には日中の現代アートの展覧会を開くといいます。僕は「まだ上海に来たばかりで友達が少ないんです。お願いします」と素直にあいさつして回りました。

 
 上海にはおもしろい人たちが集まっている気がしました。彼らの中に入っていければ、僕の居場所もどこかに見つかるかもしれない。いまの僕にはどんな人とのつながりでも、ものすごく大切なんです。

 自宅への帰り道、小雨に濡れましたが、上海の街をはじめてきれいだと思いました。


 
 ちなみにきょうは、買い物をしました。ずっと腕時計がなかったので、オメガの時計を1300円(100人民元)で買ってしまいました。もちろん偽物です。グッチの名刺入れがもれなく付いてきました。その後、書店にぶらりと寄ると、思いがけず探していた専門書を発見。歩いてみるものです。