四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

告白

 田舎の広い河川敷。僕も同級生たちに混じって、行方不明となっている彼女の捜索に加わりました。


 彼女がもう息絶え、川の底に沈んでいることは、この世で彼女本人と僕ら2人だけが知っていましたが、何気ない顔を装っていました。この時から本当の苦しみが始まりました。

 友人といっしょに彼女に手を加えました。ほんの軽はずみでした。友人は、後で警察の尋問に対して「僕がやりました」と答えたらしいです。僕の名前は一切出さなかったのです。

 それをいいことに、友人にすべての罪を被せたまま、僕は暗い少年時代を過ごしました。


そして今。少年院を出てろくな仕事につけず、金もない彼と違い、僕は出世しました。社会的な地位を得ました。





  ずっとずっと僕は恐かったんです。彼女を殺めてしまったという事実より、友人に罪を押し付けたまま、人間のような顔をして平気でここまで生きてきたことがです。僕のその無神経さが恐かった。悪魔のような自分がいちばん恐かったんです。

 
 ある夜の夢はそこで終わりました。本当に夢でよかった。この夢をふくらませて物語にしてみようかな(びっくりさせてごめんね)。