四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

美しい人

 長い混沌を経てもなお、純粋な心を持ちえる人に強く惹かれます。

 僕は、明日35歳になります。日本人男性の平均寿命の半分近い時間を過ごしている、なんて数字で考えると、「もう半分も生きてしまった」なんて後悔もちらほらながら思ってしまいます。が、「まだ半分もある」と考えることもできます。

 そんな僕が、青春といわれる時期から遠ざかれば遠ざかるほど鋭く感じるようになったのが、「経験の中で鍛えられてきた純粋さ」を持つ人の魅力です。

 さまざまな経験が、人としての純粋さを失わせるのではないのです。
 苦しみや悲しみの経験が、人としての純粋さを増していく。経験が純粋さに磨きをかけていく。そんな素敵な生き方をしている人がときにいます。女性の場合は特に輝いてみえ、美しさを感じます。本当の意味で強い人でないとできないことなのかもしれません。

 そんな風に感じられるようになったのはやっと最近。これまでは、なんだかんだ言っても、外見で人を判断していたような気がします。35年間で学んだことは、「たったこれだけ」だったといえるかもしれません。が、「こんなにも学んだ」とも考えることもできます。

 都会に暮らしていると、つい目が外見の美しさにいきます。でも、上海ではすぐその裏手がうす汚れた庶民の路地だったりして、見せ掛けだけの罠に気づいて、興ざめすることも多いのです。

  30代の恋は、20代の恋よりもっと純粋になる、と誰かが言っていたのは当たっているような気がします。カッコよさだけで人にほれることはできない年になっているのでしょう。

中国に暮らしはじめてもうすぐで2年。ここで出会った人たちは、なぜかそんな純粋さを持ったいい大人が多かったように思います。なぁ、みんな!


 

 
 ハッピィーバースデー to me!