覚悟という強さ
人は覚悟した時、強さを備えるような気がします。「窮鼠,猫を噛む」ということわざもありますが・・・。
僕は中国にやって来てもうすぐ2年。ここで働く日本人から感じるのは、覚悟した人間の強さです。ある人は、日本での安定した生活を捨ててまで、新たな挑戦をしに異国の地に飛び込んできています。前にも後ろにも引けない。日本にも帰っても、前と同じ安定はそこにないのです。
そんな時、人は覚悟するしかないのでしょう。自分への甘えとか、迷いがないのです。ここで生きていくしかないと覚悟をした人間は、日本にいては発揮できなかったかもしれない芯の強さを身につけていくような気がします。覚悟が人を育てているのかもしれません。
きのうまで2日間だけ、僕は香港と深センに行っていました。
香港で僕は、コンクリートジャングルの中でしっかりと頭を上げ、ここにもちゃんと白い雲が流れているのを確認しました。
深センでは、昆明時代の友人たち4人と会って、ここでも覚悟をして暮らす友の姿を確認しました。頼もしいかぎりです。
深せん空港からの帰路は、すでに夜9時を回っていました。上海の浦東空港までは約2時間。香港と深センの街を歩きまわってかなり疲れているはずなのに、意識はぐっと冴えていて、眠らずにずっと目をつぶりながら考えていました。
「僕だからこそできる仕事って何だろう?」
いや、
「僕だけにしかできない仕事って何だろう?」
この考え方は、範囲を広げるのではなく、自分の仕事として絞り込む作業です。
覚悟した人間の立場で将来を考えたとき、僕がこれからできることもあるかもしれないと思えたのです。そろそろ、僕にも強い覚悟が必要なのかもしれません。
覚悟が僕を育ててくれるなら、僕は自分の覚悟に従って歩んでいくのもいいんじゃないか。そんな風に考えられるようになったのは最近です。