四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

上海の雨の日

 きのうの上海は一日中雨が降っていました。ちょっと冬に逆戻りしたような冷たい雨。昨夜からベランダに干していた衣類が、まだ乾いていません。売店のおばちゃんも、寒そうに手をこすっていました。

 土曜日も午後から仕事でした。事務所の静けさ。人がいても静かな事務所です。淡々と手元にある仕事をこなし、午後7時に仕事を終えて帰路に着きました。この仕事を始めて3ヶ月。初めは慣れなかったこの仕事も、意外と早い時期に飽きてしまうかもしれないとの予感がします。ところで、最近よく目を通している資料は、中国の財政問題の記事。財政面からみると、中国は中央政府より地方政府の力が強く、よくも悪しくも地方分権の国なんだなってのが分かります。

 自宅に帰ってパソコンの電源をつけ、友人にメールを送ったり、ブログを書いたり。そして本を読んだり。最近は肩が凝るので、近所のマッサージ屋に行こうと思っていましたが、夜になって雨が風を含んで強くなってきたので行くのは止めました。

 最近読んでいる本は、中島義道さんの「哲学の教科書」と、友人から借りた故・岡本太郎さんの「自分の中に毒を持て」。岡本さんは本の書き始めにいきなり、「人生に挑み、本当に生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれかわって運命をひらくのだ。それには心身とも無一物、無条件でなければならない。捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる」と書いていて痛快です。
 めちゃくちゃなことを言っているようにも思えますが、中国にやって来て何かをしようとしている人には結構響いてくるのではないでしょうか。僕もこれまでにいろいろなものを捨ててきてしまったけれど、だからこそ自分自身を自由にしたし、驚くほど多くのものが僕の目に、心に入ってくるようになりました。自分をがんじがらめに縛っているのは、本当は社会でも会社でも家族でも恋人でもなく、意外と自分自身だったりします。

 捨てなければいけないのは、自己規制した小さな自分。
 拾い集めたいのは、自分を大きくしてくれる仲間や知恵、経験です。

 
 ・・・なんてことを考えながら、テーマもなくつれづれに日記を書いてみました。上海の雨の日でした。