四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

雲南ブランドを創造しよう

 僕が1年半暮らした中国の西南地方・雲南省には、少数民族が多く暮らしています。25もの少数民族が各地にいて、それぞれまったく異なる衣装を身にまとい、伝統的な生活を守っている人たちもまだまだいます。
 
 彼らが持つ伝統のデザインを生かして、新たなブランドを創造しよう−という企画が僕の身近で再び持ち上がってきました。昆明にいた頃も、彼女といっしょに考えていたことです。「伝統への回帰」という現象は、現代化していく都会では必然のようにも感じ、僕がいま暮らしている上海だけでなく、香港、東京などに希少価値の高いブランドとして売り込んでいくことは決して不可能ではないだろうと考えていたからです。

 仮のブランド名は「阿詩馬ーASHIMA」。イ族に伝わる伝説の美女の名前です。彼女が教えてくれました。

 地理的に恵まれない山岳地帯には、現金収入手段のない貧しさの中で、自給自足のような暮らしをしている人々がいます。そこではまだ伝統的な養蚕を行い、すべて手作業で自分たちの民族の絹織物を生産している、とも聞いています。彼らに手伝ってもらい、現代の洋服の中に彼らのデザインをアレンジして織り込むことができないかと考えています。工場が要らないので、リスクを背負った大きな投資も必要ありません。こんな企画が得意そうな日本人のデザイナーはいないでしょうか?カッコいいデザインが要です。


 その前に僕は、農村の現状をみるため、さまざまなデザインを集めるために雲南を再び歩く必要がありそうです。上海と雲南、都会と農村。取材でも、ビジネスでも、人生もすべて新たなものと「つながる」「つなげる」ことがきっかけであり、根本のような気がします。