蹴飛ばせ
どうも上手くいかないのです。
僕は、考えます。どうすれば良いのかじっくり考えます。
どこからか、ビビーと変な音が聞こえるようになってきてしまいました。幻聴でしょうか。もうかなりヤバイです。
僕は、やはり現状の打開策を考えます。振り返ってみれば、思い当たる節がないわけではありません。きっと僕が悪かったんです。
幻聴は激しさを増します。ビビビー。
奇妙な音の出所が分かりました。が、複雑に絡み合った回路など僕には手が負えません。あきらめるべきなのでしょうか。まだ出会ったばかりなのに・・・。ビビビビー。
この小さな脳みそは考えれば考えるほど、いまにも爆発しそうです。その間にも、その奇妙な音は激しさを増し、ギギギギギーという鋭い機械音に変化しました。いよいよもうだめです。
半狂乱になる直前の僕は、考えることをついにあきらめ、
「うるさいんじゃ、ボケッ!」。ボコッと右足であなたを蹴飛ばしてしまいました。
・・・・・
奇妙な音は、ピタリと止みました。故障しかかっていた「冷蔵庫」のことです。ちなみに中国製。世の中、うじうじと考えているより、いっそのこと蹴飛ばした方がいいこともあるみたいです。
あなたが蹴飛ばしたいのは何ですか?