Black Power
先月、南アフリカを初めて訪ねました。久しぶりの一人旅です。
世の中のカラクリを知ると、楽になる。
動くことでエネルギーが生じる。
5日間だけでしたが、南アフリカで暮らす日本人ビジネスマンなどに会い、そんなことを少し感じられた旅でした。
誰に会ってどんな話をしたかは、ここに詳しく書きません。また別の機会で。
ヨハネスブルグは「世界一危険」と言われる都市。いきなり黒人にナイフやピストルを突きつけられるのではないかとかなりビビッていましたが、幸い危険な目にも遭いませんでした。運が良かっただけかもしれませんが…。
街中を一人で歩いてスーパーに買い物に行ったり、ゲストハウスから中華街まで往復2時間程歩いたりしました。
途中、道端に落ちた小銭を拾って歩く黒人男性(50代)と一緒に話しながら歩いたり。
彼もスーパーに買い物に行きたいのだが、バスに乗る運賃がないのでこうして歩いている。彼の息子は23歳になり、自動車教習所の教官だとか何とか、身の上話が始まりました。
どうでもいいのだが、私のことを中国人と勘違いしているようなので、「ジャパニーズ」と強調してあげた。
それでもおっさんは「区別つかんな〜」というので、「あんたら黒人もね」と言い返してあげたら、笑っていました。「そんなんだよ。黒人ってもいろいろいて、言葉すら通じないからね」と。
ところで、自分は「世界一危険な街」を難なくひとりで歩けたのだから、もう世界中で歩けない街はないなと、変な自信を深めてしまったのでした。
ある博物館を訪ねた時、汚くてシンプルだけれど、メッセージ性を強く感じる看板が展示されていました。
アパルトヘイトという白人支配からの脱却を求めた黒人たちが1980年代に使っていたものです。
アフリカ大陸だけで9億人。
いま、その黒人たちのパワーは、違う方向に向っているといいます。
方向は、豊かになろうとする消費力であり、エネルギー資源でもあり、明るく生きようとする力なのかもしれません。
(ヨハネスブルグのダウンタウンでサッカーに興じる若者たち)
(ダウンタウンの街角で談笑する女性たち。巨漢も!)
(野菜市場の女性たち。ちょっとやる気なし)
一方、景気低迷で意識が内向きになっている日本。
世界のパワーの中心が大きくシフトしていることにも気づいていないのではないか。
そんなことを現地で、考えていました。
(ヨハネスブルグの中華街。経営者は中国人で、そこで働いているのは黒人が多い)
(高速道路には「i-phone」の看板も。中間層の厚みが出て、消費力が高まりつつある)
ヨハネスブルグから国内線で2時間のところにあるケープタウンにも行きました。
喜望峰では、強い風が吹いていました。
大西洋からインド洋に抜ける風です。
こんなに気持ちのいい風を感じたのは久しぶりでした。
それは単なる風でなく、自分に新たなパワーを与えてくれるもののように感じたからなのかもしれません。