四十雀の囀り日記

路上をゆるりと歩いたり、時に疾走したり。2004年から中国で暮らし、16年秋に13年ぶりに帰国しました。

雨の日は好きですか?

  高層ビルから発っせられたネオンの艶やかな光が突如掻き乱され、どす黒く汚い世界へとまた逆戻りしてしまいました。
 
 僕はスーパーへ買い物に向かう途中、交差点で立ち止まり、道路の真ん中にあった水溜りに映る上海の夜の光をみつめていましたが、信号が青に変わると、僕の想いなど何も知らない自動車のタイヤが、地面に映った景色を無残にも踏み潰し、粉々にしていきました。
 上海は、このところ秋の小雨が降り続いています。



 「雨の日は好き?」と、会社の同僚に聞かれました。僕は「好きだよ」と答えます。もちろん晴れた日が好き。文字通り気持ちよく晴れやかな気持ちになります。でも、ちょっぴり憂鬱な雨の日もあっていい、と思うのです。そして、たまには傘も差さずに頭に雨を受けながら街を歩いてみたいと、自虐的な気分になるのは誰のせいなのでしょうか。


 僕がなによりも雨の日が好きなのは、必ずいつかは晴れの日が来るという事実を肯定でき、そして実感できるからかもしれません。



 天気は必ず変わる。世界も変化していく。
 水溜りに反射して掻き乱された僕の想いも、またいつか変わっていくのでしょうか。世界で一番変化を感じられる都市、上海に来てちょうど1年が経ちました。


 雨の日は好きですか?